商圏データ取得手段5種の実測比較検証を実施 ― 任意のエリア・業種の店舗データを費用をかけずに取得する仕組みを構築
キー登録不要・従量課金なしでの店舗データ取得、データ出所単位でのライセンス適合判定、ノイズ率と網羅率の定量把握
株式会社PERVA(本社:東京都中央区/ITカンパニー)は住所や駅名から周辺店舗のデータを取得する手段5種について同一地点・同一半径での実測比較検証を実施しました。費用とライセンスの両面で条件に合う基盤としてオープンデータの「Overture Maps」を特定し、任意の半径・任意の業種で店舗データを取得する仕組みを構築しています。現在は取得データの品質限界を定量化する段階にあり、不動産賃貸仲介における商圏分析への適用を進める方針です。
背景
出店判断や物件の商圏説明では「徒歩10分圏に飲食店が何件あるか」という数字が判断材料になります。ところがこの数字は出所によって大きく食い違うため根拠を説明できないまま使われている場面が少なくありません。
商用の地図APIは精度が高い一方で調べる地点の数に比例して費用が増えるため、保有物件を全件処理する使い方には向きません。無償のオープンデータは費用がかからないものの網羅性やライセンス条件が検証されないまま導入され、後から公開範囲の制約が判明する事態も起こり得ます。
当社は不動産賃貸仲介事業を展開しており物件周辺の商圏を説明する必要があります。そこでどのデータを使うべきかを感覚で決めず、同一条件の実測で確定させる方針を取りました。

本検証で確定させたこと
1. 同一条件での5手段比較
自社所在地(東京都中央区東日本橋)を中心とする半径800mという同一条件で、OpenStreetMap・ホットペッパーグルメAPI・Google Places API・経済センサス(e-Stat)・Overture Mapsの5手段を実測しました。取得件数はOpenStreetMapが414件、Overture Mapsが1,196件(信頼度0.9以上に絞ると637件)です。同じ地点に同じ問いを投げても手段によって3倍近い開きが生じることを実データで確認しました。半径の扱いも手段ごとに異なり5段階の固定値しか受け付けないAPIや町丁目単位の統計で円に切り出せないデータも含まれます。
2. データ出所単位でのライセンス適合判定
Overture Mapsは複数の提供元のデータを統合しているためライセンスは基盤全体ではなくレコード単位で決まります。取得した全レコードの出所を確認したところ、CDLA-Permissive-2.0・Apache-2.0・CC0の3種のみで構成されておりShare-Alike義務を伴うODbL由来のデータは1件も含まれていませんでした。派生データの公開義務が発生しないことを規約文の読解ではなくデータそのものの検査で確定させています。あわせて飲食店を顧客とする事業では利用が規約で禁止される手段があることも確認したうえで、事業適合性の観点から候補から除外しました。
3. 品質限界の定量化
浅草橋駅から半径800m(不動産表示規約の徒歩1分=80m換算で徒歩10分)に該当する1,290件を全件検査しました。店名と住所の充足率は100%、重複は10件(0.8%)、飲食業以外の混入は32件(2.5%)でノイズは合計2.9%に収まっています。一方で落とし穴も2つ判明しました。データに付属する信頼度スコアは公式定義が「実在するか」であり営業状況とは独立しているため営業中かどうかの判定には使えません。またFoursquare由来の160件は全件が同一の既定値で入っており、閾値を0.8以上に設定すると品質とは無関係に全件が除外されます。この断層を自動で警告する仕組みは実装済みです。

今後の展開
当社はまず不動産賃貸仲介の実務に適用します。保有物件の一覧から全件分の商圏データを一括生成する処理を整備中で、地点数に費用が比例しない構成のため物件数が増えても運用費は変わりません。
続いて営業中判定の付与に取り組みます。今回の検証で件数が実態より過大に出る原因を特定できたため他データとの突き合わせによる精度向上が次の課題になります。
取得した商圏データは当社のAIエージェント基盤「VADO AI」と連携させ、物件情報と商圏データを組み合わせた提案資料の自動生成につなげる計画です。出店判断や事業承継における立地評価など業種ごとに精度要件を見極めたうえで適用範囲を広げていきます。
対応可能な調査の例
本検証で構築した仕組みは飲食店に限定されません。カテゴリと範囲を差し替えるだけで次のような調査に同じ手順で対応できます。

- 任意の住所・駅から徒歩◯分圏にある業種別の店舗数と店名一覧
- 出店候補地を複数並べた商圏比較(競合密度・業態構成・方位別の偏り)
- 沿線の全駅を横並びにした競合密度ランキング
- 保有物件や店舗網を一括処理した商圏データの一覧化
- 特定業種の出店余地の概算とエリア間の相対比較
- 利用予定データのライセンス適合性の判定
実際に山手線30駅・半径500mの個別指導塾を同じ仕組みで抽出し、駅ごとの密度差を確認済みです。ただし大手ブランドの実在教室数と照合すると網羅率は約2割にとどまりました。業種によって使える用途が変わるためご相談いただいた段階で「どこまで言える数字か」を含めてご報告します。
エリアと業種をご指定いただければ実データで検証したうえで結果をお渡しします。調べたい対象がある方はお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先
株式会社PERVA ITカンパニー
TEL:03-6428-7357
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