社内に散在するデータを収集する「データ統合AIエージェント」を構築 ― Googleドライブ・Salesforce・NASを横断し、AIが使える状態(AI Ready)を実現
散在データの一元集約、システム横断でのデータ収集、AI活用の土台づくり。
株式会社PERVA(本社:東京都中央区/ITカンパニー)は、首都圏に本社を置く従業員100名規模の人材サービス業向けに「データ統合AIエージェント」を構築しました。社内に散在する業務データを横断的に収集・統合する仕組みです。Googleドライブ・Salesforce・NASサーバーなど部門ごとに分かれていたデータソースを一つにつなぎます。生成AIが横断的に活用できる「AI Ready」な基盤を整えています。
背景
生成AIの業務活用が広がる一方で、最大のボトルネックとなっているのがデータ基盤の未整備です。多くの企業ではデータが部門ごとに分断されています。営業データはSalesforce。契約書や提案資料はGoogleドライブ。過去案件のファイルはNASサーバー。こうしていわゆる「サイロ化」した状態に置かれています。担当者は必要な情報を探すために複数のシステムを行き来します。同じ内容を二重に入力し、どれが最新か分からないまま作業を進めています。こうした散在データはそのままでは生成AIに正しく参照させることができません。「AIを導入したのに社内のことは答えてくれない」という声の多くは、AIの性能ではなくデータが整理されていないことに起因します。生成AIを本当に活用するには、まず社内のデータを「AIが使える状態」に整えることが不可欠です。

本AIエージェント(AI社員)が担う役割
1. 散在データの横断収集
本AIエージェント(AI社員)は、Googleドライブ・Salesforce・NASサーバーなど社内に分散した複数のデータソースを横断して情報を収集します。従来は担当者が一つずつシステムを開いて手作業で集めていました。この作業をAI社員が能動的に取りに行きます。人手を介さずに必要なデータを一箇所へ集約します。
2. データの統合と構造化
集めたデータは形式も項目名もバラバラのままでは活用できません。AI社員は部門やシステムごとに異なる表記や形式を整理します。名寄せや構造化を行った上で単一の情報源(Single Source of Truth)として統合します。マニュアルや議事録・PDFといった非構造化データもAIが読み取れる形へ整えます。
3. AI活用基盤としての運用
統合されたデータは生成AIが横断的に参照できる基盤として運用されます。これにより社内の情報を踏まえた回答や部門をまたいだ検索・分析が可能になります。RAG(検索拡張生成)をはじめとするAI活用の前提が整います。現場は情報を探す作業から解放され、判断業務に集中できるようになります。
実例:Microsoft Clarity のデータを毎日「全件・生」で収集し続ける
「散在データを毎日収集し続ける」とはどういうことか。当社が別途運用している事例で具体的にご紹介します。Webサイトのユーザー行動を計測する Microsoft Clarity は管理画面で見られる集計値だけでは過去データが流れて消えてしまいます。そこで当社は Clarity の Data Export API を使い毎日決まった時刻に全項目を自動取得します。取得した生データは案件ごとに日付付きで保存し社内の共有ドライブへ蓄積し続けています。以下はすべて実際の運用データのキャプチャです。
① 無加工の「生データ」をそのまま取得
まず取得しているのはAPIが返す無加工のJSONです。人が触る前の一次データをそのまま保存します。1日ぶんだけでも数千件のレコードが記録されます。後からどんな切り口でも分析できるよう整形せず原文で残すのがポイントです。

② 案件ごとに、毎日休まず自動で溜まっていく
取得したデータは案件ごとのフォルダへ整理して保存します。1案件につき「デバイス別」「流入元別」「国・ブラウザ別」の3種類を毎日書き出します。この仕組みは2024年10月から一日も欠かさず動き続けています。1案件あたり2,000ファイル前後が積み上がっています。人が手を動かさなくても資産としてのデータが毎日増えていく状態です。

③ 溜めた生データを、そのまま自動で集計する
溜まった生データは、人手を介さずそのまま集計へ回せます。たとえば直近7日ぶんの約49,000レコードを自動で集計すると、ある案件では流入の99%がスマートフォンだと分かります。iOSとAndroidの比率まで一目で見えます。この数字があれば「まずスマホ表示を最優先で改善する」という判断がすぐに下せます。生データを溜めているからこそ、こうした集計を後からいくらでも作り直せます。

④ 「取れる指標は全部取る」設計
取得する項目は一部に絞りません。流入数・滞在時間・スクロール深度・デッドクリック・エラーなど、Clarityが返す9種類のメトリクスをすべて取ります。それぞれOS・デバイス・流入元といった切り口ごとに保存します。合計90項目を超える設計です。今は使わない指標も含めて取りこぼさず溜めておく。だから後から「あの指標も見たい」と言われても、過去にさかのぼって即座に応えられます。

このように「外部サービスのデータを毎日・全件・生のまま収集し、資産として蓄積する」ことが、AIが使えるデータ基盤づくりの土台になります。冒頭で述べたGoogleドライブやSalesforceの統合も、根底にあるのは同じ考え方です。
今後の展開
今回構築したデータ統合の仕組みは、複数の業務システムを併用するあらゆる業種に応用が可能です。株式会社PERVAは今後、対応するデータソースの拡張を進めてまいります。あわせて当社が提供する「VADO AI」との連携により、統合したデータを起点とした業務自動化やナレッジ活用へと展開します。散在したデータを「AIが使える状態」に整えることを生成AI活用の第一歩として、幅広い業種へ提供してまいります。
お問い合わせ先
株式会社PERVA ITカンパニー
TEL:03-6428-7357
MAIL:info@perva.co.jp
問い合わせ:https://perva.co.jp/contact